さなければ,いじめる側や傍観者と同じであることに気づき,いじめに対して強い意志で立ち向かおうとする態度を養う」というものです。 実際の授業では,学習のテーマとして「いじめを止めるには,どのような心があればいいか」を児童とともに考えたうえで,「『ぼく』は自分の何が『ひきょうだ』と考えたのだろうか」と問うたあと,用意しておいた次の「二つの意見」を教師が提示しました。(「石井さん」,「川瀬さん」は教師側が設定した架空の人物です。) そのうえで,自分は「二つの意見」のどちらに近いかを考えるという活動に進みます。具体的には,という活動を行いました。 この授業で使用したタブレット端末は,二人に一台の状況ではありましたが,❸の場面において,児童がアップされた写真を閲覧するのにかかった時間は,5分ほどでした。 このことは,一人一人の意見を音声情報として順次確認していく方法よりも,大量の文字情報を確認❶自分の考えに近いほうを選び,その理由を付箋に書く。❷自分の考えをタブレット端末で写真に撮り,クラウド上にアップする。❸アップした児童には,友達の考えを見させ,自分の意見と比較させる。する方法のほうが短時間で処理することができるということを意味すると考えられます。 授業はその後,教師の意図的な指名,色チョークを使用した構造的な板書等によって,全体での共有が行われていきました。 そして,「『助けよう』だけではなく,『助ける』と思って行動する心が大切である」というまとめのあとに,今日の学習の振り返りを黄色の付箋に書いてアップするという活動で授業を終了しました。おわりに 今後は,一人一台の端末が使用可能となります。それと同時に,キーボードなども標準で実装されることでしょう。端末の活用については,今後も新たな方法を模索していく必要があると思われます。石井さんの意見ゆうすけさんたちに何かされるのがこわくて,何もしなかったこと。川瀬さんの意見助けなかったことを最後の最後で謝って,すぐに謝らなかったこと。13デジタル時代の学びのカタチー教科の視点 道徳特集
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