本年1月緊急事態宣言の再宣言で,単元末に町の人への発表はできませんでした。お店の人へ手紙でのやり取りを続け,タブレットにまとめていきました。タブレットで作成したものと手書きのものを合わせて町の人に届けていく活動につなげました。 活動に制限がある中でも,導入されたタブレットPCを効果的に活用することで「デジタル町探検」に挑むことができました。これまでの直接体験を大切にしながらタブレットPCを活用し,職場や地域の人と協働して新しい生活科の可能性を求めて児童の学びを豊かにしていきたいと考えます。ノート等)し,他者に発信する。記録し,蓄積したことを取り出して活用することで学習効果があがります。私たちは,タブレットを活用した活動や,デジタル教材・資料としての活用という視点で授業づくりを考えていく必要があります。 これまでは,町探検のあとに児童が見つけたことをカードに書いたり紙芝居にしたりして情報を伝え合う活動をしてきましたが,タブレットを使ってまとめ,友達に紹介したり交流したりする「デジタル町探検」に挑戦しました。2年生という実態から,個々に町を歩きながら写真を撮るのは難しいため,教師が写真を撮り活用できるようにしました。今回行けなかった場所は,ストリートビューを使ってデジタル町探検をしました。実践してみると,よさと課題の両方がでてきました。 よさとしては,おわりに❶意欲的に表現活動をすることができる ノートや紙芝居,模造紙などに字や絵で表現することが苦手な児童でも,意欲的に短時間で取り組めます。自分で使いたい写真を選び,おすすめだと思うキーワードを手書き入力することであっという間に簡単にきれいにできます。教師が用意した割付に当てはめていくので,体裁も整えることができ,児童の満足感が高く,使い方を覚えると,「こうやって伝えたい!」が簡単に叶うので,児童は自分なりの思いや願いをもって主体的に取り組みました。字の丁寧さなどに気を取られない分,発表に向けて視覚的な構成や簡潔さなどのスキルが上がりました。❷誰でも同じように作成でき,情報共有できる 同じ割付で作成するので,教師が入れてほしい情報(町を見つめる視点)が入るため,できあがった作品に統一感があります。写真も個別に見られるので子ども同士のイメージが共有しやすくなりました。❸どこでも交流できる タブレットがあれば,どこでも交流することができます。他の学級の児童や先生方にも自分の伝えたいことを意欲的に話していました。❶表現が画一的になる 手軽にできるよさの反面,表現の多様性が限定されてしまいます。児童が自分で創り出す表現方法や豊かな言葉を大切にしていく必要があります。❷技能面での個人差が出てくる タブレットを使用するための技能に個人差ができるため,道具として児童が使いこなすには,時間と支援者が必要です。❸児童の思考の変容は見取りにくい タブレットは形が整うものの,思考の整理は難しいので,ノートやワークシートと併用する必要があることがわかりました。児童の対象への気付きの質が高まっているか,内容面での深まりがあるか,教師が見取る目がより一層重要になります。❹著作権についての理解 友達やほかの人が撮った写真を勝手に使用しないことやイラストの使用の仕方などを情報モラルとして段階的に計画的に指導することが重要です。❺健康への留意 タブレットで学ぶ児童の様子を見ると,画面に顔が近づき,瞬きも少なくなります。長時間行ったら,確実に身体に及ぼす影響が大きいと感じています。一日に使用する時間を決め,使用する時の姿勢や学習環境を整える必要があります。 一方で,課題もあります。9デジタル時代の学びのカタチー教科の視点 生活特集
元のページ ../index.html#9