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中学校英語:「一人一台端末」を有効活用するために

品川区立鈴ケ森中学校主任教諭 太田おおた 裕也ひろや

授業はあくまで「マイナーチェンジ」

GIGAスクール構想により,2021年4月から生徒が一人一台のタブレットPCを持つことになりました。ここでは,中学校の英語の授業において,今までの授業の中にタブレットPCをどう取り入れ,共存させていくかについて考えていきます。私は,これまでの授業の形を大きく崩さず「マイナーチェンジ」で共存させたいと考えています。この考え方にもとづき,授業でどのようにタブレットPCを使うかを,実践例として紹介します。

1つの課の実践例

現在,私は教科書の1つの課を2時間で教えています。以下の指導過程の中のハイライトの部分で,タブレットPCを使っていきたいと考えています。

1時間目(導入の時間)

2時間目(復習の時間)

帯活動(チャット)

新出文法の導入

本文内容の導入

黙読及び説明

新出語句の発音

本文の音読

まとめ

帯活動(Dictation)

新出文法の復習

本文内容のQ&A

黙読及び説明

音読,本文の活用

発表

まとめ

1時間目()の「チャット」は,1つのトピックについて1分間から2分間,ペアで自由に話す活動です。これまでは,自分の発話内容を振り返ることが難しい,という課題がありました。ICレコーダーで録音して振り返る方法もありますが,タブレットPCを使えば,より容易に自分の発話を録音することができます。また,Wordの音声入力を使えば自分の発話を文字に起こすことができ,英文の間違いや,「次に話すときはここでこんな質問を入れたい」といったことが振り返りやすくなるでしょう。

  • 1
  • これまでは教師が準備した画像を使い,発表をさせていた。

1時間目()のまとめは,これまでは板書を書き写させる時間にあてていました。しかし,タブレットPCを使えば,生徒が板書をカメラで撮ったり,教師が板書のデータを送ったりすることで,時間を短縮することができます。この時間を,次の授業の準備などにあてることができるようになるのです。例えば,教科書『ONE WORLD English Course 2』のLesson6では,姫路城と熊本城について書かれていますが,「次の時間に姫路城か熊本城について説明してもらうから,説明したい方のお城について調べておいて」と指示を出しておけば,生徒はこの時間を使って,インターネットで調べることができます。

また,授業後の家庭学習でも,教科書に載っているQRコードを活用して,教科書本文の音声を聞いたり,音読練習をしたりできるため,復習がしやすくなります。

2時間目()の本文の活用,()の発表では,これまでは写真のように,教科書のピクチャーカードを使った発表などを行わせてきました。しかし,タブレットPCを活用すれば,生徒が自分で調べ,準備した画像を使って発表することができ,発表の幅が広がります。ただし,生徒は翻訳サイトを使って理解した,周りの生徒にはわからない英語を使ってしまうこともあるので,注意が必要です。

英語がメインだということを忘れない

他にも,PowerPointを使った発表(スピーキング)や,Wordを使ったライティングなど,さまざまな活動が考えられます。しかし,授業時間の大半がPCを使う時間にあてられ,英語の指導内容が薄くなってしまっては本末転倒です。英語の授業はPCの授業ではないということに留意し,タブレットPCに振り回されない英語の授業をつくりたいものです。