4.学校ビオトープをつくる際のポイント

〔1〕 水辺



(1)池を掘る

●池のかたちを複雑にする
 なるべく水際線が長くなるように、かたちを決める。陸地と水辺が接する部分は、生きものの種類が多様な、非常に大切な場所である。○型や□型ではなく、☆型やヒョウタン型など、工夫してみるとみるとよい。

 

●池の深さを変化に富ませる
 岸辺の傾斜をなるべく緩やかにし、水深に変化をつけるとよい。それにより、浮葉植物(アサザ、ガガブタなど)、抽水植物(マコモ、ガマなど)、沈水植物(クロモなど)と生えてくる水生植物の種類が変わり、水辺環境に変化ができる。

 


●湿地をつくる

 水辺生態系を考えた場合、湿地の役割は大きい。水深が極端に浅いことからミジンコなどの動物性プランクトンが捕食されず発生する場となる。このことが持続的にメダカなどに餌(えさ)を提供することになり、植物プランクトンの大発生を妨げ、池の濁りをおさえることにつながる。池をつくる際には水深5cm程の場を必ず設けたい。



(2)防水対策を行う

 粘土、あるいは防水シート、ベントナイト等を敷いた上に、水生植物が生育できるように、土を30〜50cmの厚さで敷く。



(3)水の確保

 井戸を設置したり雨水を利用したりと、さまざまな方法が考えられる。雨水を利用する場合には、夏場の雨不足に備えて、水道を併設しておくと良い。
 また、水道水だけの使用でも可である。



(4)植物を生やす

●水の中に植物を生やす
 地域の水辺から移植するとよい。また、種をまいたり、地域の水辺の土を少量 池に流し込むことも埋土種子が発芽することから効果的である。

●水辺の周囲にも植物を生やす
 トンボやカエルなどのなかまには、水辺だけでなく、近くの草地や樹林を利用するものも多い。
 池の周囲に樹木を生やし藪(やぶ)をつくったり、草地にしたりと、周囲の環境もあわせて検討することが望ましい。また、小さい池であれば、夏場の水温上昇をおさえるために、ハンノキやヤナギ類などを池の周囲に植え、日陰をつくるとよい。



次へ



Copyright(C)2000 KYOIKU SHUPPAN CO.,LTD. All Rights Reserved.