青白いα(アルファ)星・兄のカストルと,黄色いβ(ベータ)星・弟のポルックスが仲良く並ぶふたご座は,実はβ星の弟・ポルックスの方が明るい1等星で,それよりちょっと暗いために兄・カストルは2等星の仲間になってしまいます。
この2つの星を頭の位置として,星並びもほぼ左右対称に連なっている形を見つけられることでしょう。カストルとポルックスは双子の星ですから,どちらがどちらだか忘れがちですが,ご心配なく。お隣りの五角形をした星並びをした星座・ぎょしゃ座の1等星はカペラ。このカペラに近い方がカストルです。
このカストルは望遠鏡で見てみると2つの星からなっていることがわかります。さらに大きな望遠鏡などで調べてみると,なんと六重連星であることがわかるそうです。
兄カストルの足下の方を双眼鏡で見てみましょう。淡い冬の天の川の中に,散開星団M35が見つけられることでしょう。
また,12月13日〜14日頃をピークにカストルの近くから流れ出てくるように見えるふたご座流星群が見られます。
このふたご座にはこんなお話しがあります。
この双子の父は神・ゼウス。母は人間のレダでした。カストルとポルックスはすくすくと成長し,カストルは乗馬の名手に,ポルックスは拳闘の名手になりました。
ところがイダス兄弟との戦いで,兄カストルは死んでしまい,同じような目にあったのにポルックスは死にませんでした。ここで初めて,カストルは人間の子として生まれ,ポルックスは不死身の神の子として生まれたことを,ポルックスは知ったのです。ポルックスはこの事を嘆き悲しみ,神にお願いして,自分の不死身を解いてもらいました。そして,兄カストルとともに,いつまでも仲良く星座となって夜空に輝くようになったということです。
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