おうし座は大神ゼウスが変身した姿です。美しい姫エウロパを見そめたゼウスは,白い雄牛に変身し,優しくエウロパに近づきました。その姿に安心したエウロパは心を許してその雄牛の背中に腰掛けました。そのとたん,雄牛は飛び立ち,あっという間に大変離れた地に降り立ちました。その地の名はヨーロッパ。このヨーロッパの名の起こりは,このエウロパからきているのです。(このエウロパは,木星(ジュピター・ゼウス)を回る衛星の名にもつけられています。)
さて,おうし座の1等星アルデバランは,ちょうど雄牛の目に当たります。その色からもわかるように年老いた星です。このアルデバランを先頭に,横に倒れたV字形の星並びが見つかることでしょう。これがヒヤデス星団です。
オリオン座の三ツ星とこのアルデバランを結ぶ線をさらに延ばしていくと,なにやら6つの星が羽子板のように集まっているのが見つかるでしょう。
これがM45・プレアデス星団です。日本ではすばると呼ばれ,ずいぶん昔から親しまれている星団です。清少納言の『枕草子』にも「星はすばる…」と紹介されています。この星団は周りに薄いベールのような星雲をまとっています。この星々はまだ生まれてからあまり時のたっていない(といっても7000万年。地球は45億年)若い星々です。
今度はヒヤデスのV字の先をのばしていきましょう。するとかに星雲・M1に行き着きます。この星雲は鎌倉時代に星の一生の終わりに大爆発を起こし,昼間でも見えるほど明るく輝いた後の残骸として残ったものです。
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