北斗七星はおおぐま座のしっぽに当たる部分です。本物の熊のしっぽはこんなに長くありません。どうして星座の熊のしっぽはこんなに長いのでしょう。それにはこんなお話があります。
 ゼウスの子アルカスを生んだカリストは,女神アルテミスやゼウスの妻ヘラの怒りをかって,熊の姿に変えられてしまいました。そのため,かわいいわが子を残して森の中に消えていったのです・・・
 月日は流れ,子アルカスは成長し,立派な猟師になりました。そしてある日森の中へ入っていくと1頭の熊に出会いました。その熊こそ,母カリストでした。わが子と知ったカリストは,うれしさのあまり自分の姿も忘れてアルカスめがけて走り出しました。ですがアルカスには熊にしか見えません。そこで目の前に現れた熊を殺そうとしたまさにそのとき,その様子を天から見ていたゼウスがアルカスも熊の姿に変えました。そしてしっぽを持って,天高く放り上げたのです。その放り上げるときにしっぽが長くなってしまい,そのまま星座になったのです。
 北斗七星から北極星を探してみましょう。北斗七星のの長さを5倍のばすと北極星が見つかります。北極星はこぐま座のしっぽの先です。 星空はこの北極星を中心に(くわしく見るとこの北極星のすぐ近くにある天の北極を中心に)して,反時計回りに動いています。 また,北極星の高度はその土地の緯度と同じです。ですから,北海道では高く,沖縄や小笠原では低いところに北極星は見えるのです。旅行で遠くに行った場合などには確かめてみてください。

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