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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1005
「教育創造189号」平成30年7月(上越教育大学附属小学校内高田教育研究会)
今号の特集は,今,各学校・教師が関心を持っているカリキュラム・マネジメントに焦点を当て「各学校に求められているカリキュラム・マネジメント~教科等横断的な視点から~」を取り上げている。内容は次のような構成になっていて,カリマネの具体化について多くのヒントを与えてくれる。
【理論編】千葉大学特任教授天笠茂「新学習指導要領とカリキュラム・マネジメント(カリマネの学校への導入,構造,その目指すところ,諸計画の整理・再編・統合,教職員と組織にカリマネ力を)」。
【具体化】上越市教育委員会指導主事石黒和仁「特色ある学校づくりを推進する上越カリキュラムの開発(教育センターによるカリキュラム開発,視覚的カリキュラム表の特徴・活用とこれから)」
【実践化】上越市立宝田小学校教諭上原進「名五美ちゃんカリキュラムの開発と実践(視覚的カリキュラム表のアレンジ,自校のカリキュラム開発と実践例)」。
また,連載の【授業をつくる】は,上越教育大学附属小学校教諭平井理恵「1年創造活動:場やヒツジとかかわりながら,学校生活の楽しみをひろげる子ども」,同笠井将人「3年実践算数:自分のくらしや体験とつなげて時間の見方をひろげる子ども」,同大岩恭子「6年創造活動:自然や人とのつながりを通して,よりよい生き方を見つめる子ども」,柏崎市立鏡が沖中学校教諭前澤侑「1年技術家庭・技術分野:技術を評価し生活や社会を生かす力を育む学習過程の工夫」と,授業づくり・改善工夫のヒントが得られる。
さらに,学校紹介・上越市立大手町小学校の「研究主題:自立と共生を目指す教育課程の創造(6つの資質・能力:探究力,論理的思考,言語力,創造力,自律性,内省的思考)」も,特集と合わせ読むと,カリマネの理解が一層進むであろう。
シリーズ「ひと」~ランナー~「行動することで先が見える」上越市立水族館「うみがたり」館長櫻健太郎,リレー連載・教育のゆくえ「教員のゆとりは回復するか」上越教育大学教授廣瀬裕も,読み応えのある内容である。