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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その1008

「第3期教育振興基本計画」及び「同(抜粋)」(平成30年6月15日閣議決定)


 今期の振興計画の目標は,「ICT利活用のための基盤整備」で,次の4つのことの実現を目指したものである。

①【情報活用能力の育成】ICTの基本的な操作スキルを含む必要な情報を収集・判断・表現・処理・創造し,受け手の状況などを発信・伝達する能力や情報の科学的理解,情報に参画する態度すなわち「情報活用能力」の育成
②【各教科等の指導におけるICT活用の促進】「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善に向けた各教科等の指導におけるICT活用(一斉学習,個別学習,協働学習など)の促進
③【校務のICT化による教職員の業務負担軽減及び教育の質の向上】
④【学校のICT環境整備の促進】それらを実現するための基盤となる学校のICT環境整備(2018~2022年度の5か年計画)の促進に取り組む

 そこで,各学校には,上記①~④を踏まえるとともに,新学習指導要領における「情報教育」及び「教育にICTを活用」することについて,小学校においては各教科等の特質に応じて「文字入力など基本的な操作の習得,新たなプログラミング的思考の育成」,中学校においては「技術・家庭(技術分野)においてプログラミング,情報セキュリティに関する内容を充実」,高等学校においては「情報化において共通履修科目「情報Ⅰ」を新設し,しべ手の生徒がプログラミングのほか,情報セキュリティを含むネットワークやデータベースの基礎等について学習」を実現・充実させることが求められる。

 国・文部省,地方自治体・教育委員会,各学校それぞれの役割と責任の下において,具体的に実行していく必要がある。要は,この基本計画の趣旨を踏まえて,どこまで「子供の情報活用能力を高める」ことにつなげられるかである。条件整備をして,各学校・教員が,教室で学習活動として展開できるように関係者及び教師の創意・工夫に期待したい。