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書評:小島宏の気になる1冊その1012

監修鈴木一史・まんが山陸洋子「NEW学研まんが日本の歴史12 新しい日本と国際化する社会~昭和時代後期・平成時代~」(学研 本体:950円)


 Society5.0(人間中心社会)という時代をすぐ近くに意識する時代になった。それだけに,その前のSociety3.0(工業社会)やSociety4.0(情報社会)に当たる昭和後期や平成時代を見直すことには大きな意味がある。

 と,大上段に振りかぶったが,所詮はまんがである。この時代に子ども,青年,熟年・壮年を過ごし,今まさに高齢時代を過ごしている者には,パノラマのように時代を回想し概観するのに役立った。これから,がっちりした歴史書を読んでみようと思っている。(注:実は,この本は孫の本である)

 1「日本の独立と吉田茂(GHQ,朝鮮戦争,警察予備隊,サンフランシスコ条約,のち米安保,日本国憲法など)」,2「戦後日本経済と本田宗一郎(本田技研と朝鮮特需,所得倍増計画,F1レース,オイルショックなど)」,3「戦後文化と手塚治虫(戦後ストーリーマンガ,鉄腕アトム,東京オリンピック,日本万国博覧会など)」,4「変わる社会と現代の家族(バブル経済と平成,ベルリンの壁崩壊,バブル崩壊,湾岸戦争,阪神淡路大震災,東日本大震災,沖縄基地問題など)」,「まんがの内容がもっとよくわかる時代のまとめ」で構成されていて,まんがにしては,吹き出しが詳しく,昭和と平成を振り返り,来たる新しい時代Society5.0を迎える準備ができそうだ。

 終章「時代のまとめ」は,図,写真,地図などを豊富に使い,文章でその時々の事項,人物などを簡潔に説明してある。

 なお,このシリーズは,「国の成り立ち」から始まり12巻で構成されており,この巻の前に11巻がある。