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書評:小島宏の気になる1冊その1013

堀江貴文&落合陽一著「10年後の仕事図鑑」 (SBクリエティブ 本体:1400円)


 AI(人工知能)の発達,AIを組みこんだロボットの発明によって,現在ある仕事のほとんどがロボットにとってかわられると大騒ぎである(?)。また,大げさに言えば,人間の存在意義は何か,人間はどう生きるべきなのかが,問われるようになってきた。

 著者の堀江氏は,「僕は,未来のことを考えるのが嫌いだ。未来を創造したところで,その通りに実現することなんてありえない。未来を想像して怯えるなんて暇人のやることだし,今を一生懸命に生きることが大事だと思っている」と言いながら,「すでに僕の頭の中には未来の姿があって,今,目の前の現状にもどかしく思うこともある。読者の皆さんには,僕が見ている未来の一部を知ってほしいし,これからの時代に踏み出していってほしい」とも言っている。それだけ,近未来の捉え方は,揺らいでいるということであろう。

 まだ自分の将来したいことがはっきりしていないと言いながら本書を読んでいる孫に,何らかの光を当ててくれるとありがたい。

 Chapter0「激動の時代を生きるあなたへ(AIに仕事を奪われても何ら問題はないなど)」,Chapter1「すべてが逆転するこれからの働き方―組織から個人へ,労働から遊びへ(AIで本当に仕事がなくなるの,会社の未来会社員の未来,働くことの未来など)」,Chapter2「なくなる仕事・変わる仕事(10年後に亡くなる仕事・ヘル仕事,君にしかできない状況を創り出せなど)」,Chapter3「生まれる仕事・伸びる仕事(未開の地を拓くのはいつだって人間であるなど)」,Chapter4「お金の未来―マネーとしてのお金は廃れ,信用が価値を紡ぐ時代へ(お金を貯めずに,信用をためろなど)」,Chapter5「日本の降伏と社会について―学校・高齢化社会でテクノロジーの未来を考える(学校・教育の未来,高齢化社会の未来,テクノロジーの未来など)」,Chapter6「ピュアな情熱に導かれた"自分の人生"を生きよ(波を待つな自ら波を起こせ,遊ぶ・働く・学ぶの三位一体の生き方,自分の頭で思考する癖の漬け方など)」,小学校高学年・中学生・高校生のキャリア形成に役立つ。もちろん,キャリア教育を指導する先生方にも。