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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1019
「児童心理2018年9月号」 (金子書房 本体:848円)
今月号の特集には,「なるほど!」「そうなのか!」と納得するとともに,かつて教師をしていた頃のことを思い返し。かつての教え子400名弱の子供たちに「不十分(いい加減)な関わり」をしていたことに痛惜の念を禁じえなかった。それほど,質の高い,しかも具体的な内容だった。
【特集:子どもの心をつかむ先生】「共感力と対応力-AIに負けない教師力をつける」岩永雅也,「先生のものさしだけでは,はかれない子どもの心」袰岩奈々,「指導よりも自分をわかってほしいー子どもの中にある先生への願い」金山健一。「子どもとの世代間ギャップをどう埋めるか」髙木展郎。<先生,子どもの心をつかめていますか>「小学校低学年:子どもの心をつかむ先生の在り方」松尾英明,「小学校高学年:子どもたちから学んだかかわり方」宮内有加,「中学校:コーチングを活用したコミュニケーションの極意」神谷和宏。<子供たちが好きな先生とは>「まず,かっこいい先生」阪根健二,「子どものことを大好きだと思ってくれる先生」米田薫,「子どもが話しかけたくなる先生」岸田幸弘,「その場にあった自己開示ができる先生」山﨑洋史,「いい学級づくりをしてくれる先生」藤枝静暁,「対話のある授業をつくる先生」田村学。<こんな子どもの心を開く>「自分を好きになれない子(自己不全感を持っている子)」須永吉信,「先生が信用できない子(大人を信用していない子)」足立由美子,「いじめられているのを先生に相談できない子」岩瀧大樹,「いつもテストの成績の悪子」飯村友和,「ゆううつな給食から楽しい給食へ」田中広美&「保健室に集まって来る子どもの声」津布久幸恵,「子どもの危機・立ち直りを支えた先生-非行事例から」佐々木千里&「教員の働き方を考える」和井田節子。と,目次をざっと読んだだけど多くを学ぶことができる。感動しながら「こんな先生になりたい」と,指導の在り方を振り返らせてくれる本書をぜひ手に取っていただきたい。