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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1020
「総合教育技術2018年9月号」 (小学館 本体:1046円)
新学習指導要領の移行が始まり,2020年の全面実施がすぐそこに迫っている。学校・教師は,いかに教室の中に持ち込んで授業として展開することをもくろむ段階に至っている。
今月号の特集は,総力特集「新学習指導要領の理念を実現する校長のマネジメント力」で,現下の課題に正対するものになっている。本書を精読し,校長先生,副校長・教頭先生,主幹教諭をはじめミドルリーダーの先生方の「自校流」の実践の参考にしていただきたい。
巻頭言「新学習指導要領の理念を実現するために必要な方策とは?」編集部,
PART1:「社会に開かれた教育課程,カリキュラム・マネジメント...新時代の学校体制作りで校長に求められるものとは?」巻頭インタビュー「学校の使命を明確にしてビジョンを共有し環境を変化に応じて組織を変化させる」兵庫教育大学教授浅野良一,識者インタビュー「マネジメントについて正しく理解し基本理念達成への方向性を指し示す」奈良女子大学教授高橋正尚。
PART2:成功事例レポート「校長のマネジメント力学校が変わる!教員が育つ!」事例レポート①「経営的視点を持った人材を育成し授業研究を重ねて授業力を向上させる」相模原市立旭小学校,②「ミドルリーダーの活躍を促進する持続可能な学校運営組織改善を実施」府中市立府中第三小学校,③「確たるエビデンスに基づくPDCAで課題を明確ににし取り組みを焦点化する」静岡市立北沼上小学校,④「ファシリテーション形式の授業・研修で教職員と生徒双方の成長を目指す」新潟市立白新中学校。
特集2は,虐待・いじめ・不登校・スマホやネット依存「夏休み明けの子供たちは「チーム学校」で守る!」で,1学期の積み残しと,新たに2学期に顕著になった諸課題への対応について取り上げていて,事項の諸課題への取り組みの振り返りと改善に役立つヒントが得られる。現状分析「9月1日前後は要注意。2学期に備えて「チーム学校」で今から準備を始めよう」,虐待「夏休みは被虐待児童にとって危険な時期,学校は主体的に関わることが重要」明治大学校教授加藤尚子,いじめ「教員がいじめを認知したらその日のうちに報告を徹底する必要がある」千葉大学教授藤川大祐,不登校「夏休み中に個別の支援計画をつくり3つの階層に分けて学校全体で援助を」大阪教育大学校教授水野治久,スマホ・ネット依存「実態調査を行って学校の実態を把握し保護者と地域を巻き込みながら対応を」目白大学教授原克彦と,難しい対応に具合的に提言している。自校の実情に応じて活用できる。