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教育研究所
書評:寺崎千秋の気になる1冊 1021
佐藤 優 井戸 まさえ著 『不安な未来を生き抜く 最強の子育』-2020年からの大学入試改革に打ち勝つ「学び」の極意-』 2018.1 ( 集英社 本体:1400円)
「不安な未来」とは、グローバル化、AI等のテクノロジーの発達等による変化の予測がつかない未来であり、教育においては当面の大学入試の戦後最大の改革をさす。2020年から実施される大学入試改革の中核は、センター試験が「大学入学共通テスト」になる、記述式が採用され、英語は外部テストが導入される、二次試験や私大試験も同傾向に変化が予測されるなどである。これと一体的に、高校までの授業・学習はこれまでとは内容も学び方も大きく変わる。
佐藤氏は「「4技能」時代に勝てる語学力の身につけ方」「価値ある大学に進むには?」「子供の学力をグンと伸ばす方法」「教育とお金の問題」「あなたの子どもはAI時代を生き残れるか」など、親にとって刺激的で気になる内容について井戸氏との対話を通じて持論や経験を具体的に論じ解説している。
本書の最後に井戸氏が「子育ての一番大事なことは何か」と問う。佐藤氏は「旧来の価値観から離れ、子供を新しい世界に向けて自立させる」と答えている。ならば、「新しい世界」とはどのような世界か。これも本書から学ぶことができよう。