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教育研究所

書評:寺崎千秋の気になる1冊 1023

田村 学著 『深い学び』 (東洋館出版社 本体:1980円)


 「深い学び」は、新学習指導要領の総則等に示された「主体的・対話的で深い学びの実現に向かう授業改善」の視点の一つであり、その目指すところは「資質・能力の三つの柱」の育成にある。各学校は新学習指導要領の告示以来、この授業改善に取り組んでいる。特に、「深い学びをどう捉え、どのように実践していけばよいかよく分からない」という声を多く聞く。本書はそれらの声に正面から答え、内容や要点を理論的かつ多くの実践事例をもとに具体的に示しておりわかりやすい。

 本書の各章は以下のように構成されている。プロローグ 今期改訂を構造的に理解する/第1章 知識が「駆動」する/第2章 「深い学び」にアプローチする子供の姿/第3章「深い学び」を具現する授業デザイン/第4章 「深い学び」を支えるチーム力/エピローグ 「探究モード」への幕は上がった読み終わってみるとこれまでに言われてきたことを再認識する。これまでの校内研究・研修で「深い学び」の捉え方や取り組み方が分からない学校・教師にとってよいテキストとなろう。また、今回の改訂が初めての教師は本書を基本図書として学習し、その内容をしっかりと身に付け、実践できるようになることを願う。