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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1028
桑原武夫著「一日一善~人類の知恵~」 (岩波新書 本体:820円)
フランス文学者の著者が,昭和31年(1956年)に著したもので,誕生日ごとに「人とその名言」を366人(2月は29日)紹介したもので,ぺらぺらとめくって,気になる人,気になる言葉の部分を拾い読みすると楽しめる。
私が本書を購入したのは,高校2年生の時である。ページを折ったところを読み返してみると,2月14日ガルシン,2月20日小林多喜二,3月13日原民喜,3月26日ベートーヴェン,3月30日安藤昌益,5月6日スメドレー,6月16日マルク・ブロック,6月20日耶律楚材(我が誕生日),7月24日芥川龍之介,8月13日紫式部,8月18日バルザック,8月27日孔子,9月3日ツルゲーネフ,11月29日パルナーヴ,12月7日与謝野晶子,12月17日プラトンと,一貫性はないものの青春時代を思い返すのには充分であった。今読んでも,人類の知恵が学べ,自分流の生き方に生かすことができる古くて新しい本である。
本書が出版されて以来,実に62年も経っている。その後,日本をはじめ世界各国には,子どもに,若者に,人類に,多くの感動を与えたチャーチル,リンカーン,スティーヴン・ホーキング,周恩来,ナイチンゲール,マザーテレサ,湯川秀樹,川端康成,吉田茂,浅沼稲次郎,小澤征爾,美空ひばり,牧野富太郎,松下幸之助,中村哲,さくらももこ等々たくさんの人々(方々)が輩出している。
どなたか,「新一日一善」を編んでいただけませんか。是非お願いします。(注:売れそうだからとK社から私に依頼されても無理です,念のため。)