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書評:小島宏の気になる1冊その1029

「東京人tokyo jin平成30年10月号」 (都市出版 定価:930円)


 今月号の特集は,「石に恋して」で,冒頭の座談会「石が教えてくれること」江戸東京博物館長藤森照信×名古屋市科学館主任学芸員西本昌司×矢橋大理石株式会社調達部長矢橋晋太郎からはじまっていて,石オタクにはたまらない内容である。

 都内の石のあれこれについて,乾睦子「国産石材と東京の近代化」で,国会議事堂,日本銀行本店,日本橋三越デパート,三井本館,迎賓館赤坂離宮本館,最高裁判所などが紹介されている。記事を読んでから,そこを訪れ「石」の視点から改めてじっくり観察したらいかがでしょうか。

 その他,磯達雄「石に魅せられた建築家たち(村野藤吾,岡田新一,ル・コルビュジエなど)」,西本昌司「東京は正秋の岩石博物館」,坂本秀平「江戸を支えた石垣」,小松政能「流行は帝国ホテルからはじまった」と続く。

 巻末の芝原暁彦「石灰石・大理石:化石ハンター,都内に出勤!」は,半世紀前に戻って楽しんだ。「なぜか?」というと,小金井小学校でダメ教師だったころ,TY(昭和50年度6年1組卒業)君が,夏休みの自由研究で,都内のいろいろな所を「化石ハンター」をしてカラー撮影し,簡潔な説明をつけて,レポートにまとめたことを思い出したからである。誠実で控えめな男児であったが,今も「化石ハンター」(化石でなくとも,何かに打ち込んでいればそれでいいのだが)をしているだろうか。

 (これは,後期高齢者の思い付きであるが,2020東京オリンピック・パラリンピックを控えて,東京にある様々のジャンルにかかわる外国人の足跡,逸話などを取り上げていただけないでしょうか!?)