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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その1032

「教育展望2018年9月号」 (一般財団法人教育調査研究所 本体:448円)


 「災害は忘れた頃にやってくる」との戒めがあるが,近年は「災害はあしたもやってくる」と言い換えた方がいいほど,日本列島を頻繁に災害(噴火,地震,液状現象,建物・家や塀などの崩壊,津波,高潮,台風,竜巻,豪雨・雷雨,洪水・水害,土砂・山崩れ,橋の崩落)が襲っている。

 その状況に備えるべく今号の特集は,「巨大地震に備える防災教育の視点」である。以下に示すように,様々な視点から「防災教育」についての提言,実践などが示されており,教育委員会や学校の「防災教育」の見直しの手掛かりが得られる。子供の命を守ってこそ「防災教育」である。このあまりにも明白な事柄に照らして,「防災教育」を実行に移し,命を守ることのできる「判断力と行動力」をもった子供を育てたい。

 今村文彦「今後,発生が予想される地震・津波はどのようなものか?-想定の考えとハザード情報」,鷺谷威「予想される巨大地震に対して,今からどのような対策を立てるべきか」,佐藤愼司「巨大津波に備える」,桜井愛子「地域に根差した防災教育の実践を支援する」,児島邦宏「防災教育の視点から見た地震・津波対策―地域共生と防災教育」,矢崎良明「安全教育の視点から見た地震・津波対策」,山村武彦「大阪北部地震に学ぶ,通学路の安全と学校防災」,畦地和也「黒潮町が取り組む防災対策・防災教育」。

 そして,わたしの教育実践「東日本大震災以降の防災対策および防災教育~福島県の小学校の現場から~」福島県いわき市立白水小学校,提言「巨大地震による「国難」を避けるために」大石久和と,貴重な情報が続いている。

 また,教育フォーカス「新学習指導要領,「教室で実現」を」渡辺敦司は,その通りで,学校・教師には耳の痛い内容で,ぜひ教室へ持ち込みたい。