ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その1034

教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その1034

「授業アイデア例・小学校」平成30年9月 (国立教育政策研究所教育課程研究センター ウエブサイトで閲覧可)


 本冊子は,本年4月に実施された「平成30年度:全国学力・学習状況調査の結果」を踏まえて,授業改善のヒント,研修会の資料,児童の学習状況の改善の手掛かりとして作成されたものである。

 学校として,教師個人としても活用し,質の高い授業づくりに努め,児童に「質の高い学力の定着・維持・発展」に役立ててほしい。さらに,この冊子を手掛かりにして,他の教科や領域の授業づくりにも発展的に活用していただきたいと,思う。また,授業アイデァ例の活用に関する素朴な質問にもQ&Aでフォローしている。

 どのアイディア例も,指導計画と展開例がビジュアルに示されており,見てわかり読んで納得,「自分流」に改善しやすくなっている。

 内容は,国語は「春休みの出来事について書いた文章を読みなおそう」(3&4学年関連),「言葉の使い方を見直すために,話し合おう」(5&6学年関連),「マイベストメニューをおすすめする文章を書こう」(5&6学年関連),「伝記を読んで自分の生き方について考えよう」(5&6学年関連),算数は「かけ算やわり算の意味を考えよう」(3・4&5・6学年関連),「グラフを複数の観点で観察しよう」(3学年関連),「複数の情報を関連付けて考えよう」(2&3・4学年関連)となっている。

 今年度新しく実施された理科は「曲がった川に大雨が降り,一度に流れる水の量が増えると,土地の様子はどのように変わるのだろうか」(5学年関連),「電流は回路の中をどのように流れているのだろうか」(4学年関連),「春の生物はどのような様子をしているのだろうか」(4学年関連),「水に溶けた食塩やミョウバンを取り出すことができるだろうか」(5学年関連),「これまでに学習したことを活かして,どのようなものがつくれるのだろうか」(3・4学年関連)と5事例が示されている。

 また,授業アイデア例の活用に関する素朴な質問にもQ&Aでフォローしている。