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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1038
「教育振興基本計画」(平成30年6月15日 閣議決定)
中央教育審議会答申(平成28年12月)を受けて改定された新しい小学校(中学校)学習指導要領(平成29年3月告示)に基づく教育が,2020年度から全面実施される。この基本計画は,その後即ち2030年以降の社会を展望した教育政策の方向性を提言したものである。
2020年からの新しい教育が移行措置を経て始まるその時に,もう次のことを考えているのかといささか急に過ぎないかとも考えられるが,過去と現在と近未来の流れの中で物事を見通しながら進めるのは重要なことだと考える。
目次をざっくりと紹介して,2030年を視野においてもらうことにし,本格的に理解しクリティカル・シンキングしたい人には,「教育振興基本計画」を精読してもらうこととしたい。充実した学校運営や質の高い教育活動を発想し,企画し,実施を進める校長,副校長・教頭,ミドルリーダーには,価値ある情報の詰まった基本計画(いささか網羅的に過ぎるという感想を持つが,それだけに多面的・多角的な視点から参考になる情報が満載)である。
第1部「我が国における今後の教育の方向性」Ⅰ「教育の普遍的な使命」,Ⅱ「教育をめぐる現状と課題」,Ⅲ「2030年以降の社会を展望した教育政策の重点事項」,Ⅳ「今後の教育政策に関する基本方針」,Ⅴ「今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき視点」。
第2部「今後5年間の教育政策の目標(注:21の目標)と施策群」1「夢と志を持ち,可能性に挑戦するために必要となる力を育成する<初等中等教育の目標3つ><高等教育の目標1つ><生涯の各段階の目標2つ>」,2「社会の持続的な発展を牽引するための多様な力を育成する目標3つ」,3「生涯学び,活躍できる環境を整える目標4つ」,4「誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットワークを構築する目標2つ」,5「教育政策推進のための基盤を整備する目標6つ」。