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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1042
C.A.トムリンソン/T.R.ムーン著 山元隆春/山崎敬人/吉田新一郎訳「一人ひとりをいかす評価―学び方・教え方を問い直す」(北大路書房 本体:2200円)
本書の原題は,「Assessmennt and Student Success in a Differentiated Classroom」である。新しい学習指導要領の全面実施に伴い,現在,児童生徒の指導要録の改善が間近に迫っている学校・教師にとって,改めて確認しておきたい内容を扱っている。授業を行い,その結果(子どもの学習の成果,教師の指導の成果)を評価をする立場にある先生方に,ぜひとも一読いただきたい1冊である。
本書の内容は,次のように構成されている。
「著者はじめに」,第1章「一人ひとりをいかす教え方:概要(評価と一人ひとりをいかす教え方,指導と一人ひとりをいかす教え方など5節)」,第2章「評価と一人ひとりをいかす教え方:理解のための枠組み(評価の種類,評価のいつ・何を・なぜなど4節)」,第3章「診断的評価:ユニットの開始時における生徒の実態把握(学習目標としての知識・理解・スキルに立ち戻る,生徒のレディネスについての診断的評価を行うなど7節)」,第4章「形成的評価:ユニットが展開されている間に生徒がどこにいるかを知る(形成的評価の特徴と影響,形勢的評価のための方法など9節)」,第5章「総括的評価:生徒の学びをユニットの主要なポイントで測る(総括的評価の特徴,総括的評価と多様な生徒3つの原則など6節)」,第6章「一人ひとりをいかす評価と成績(効果的な成績の基盤,効果的な成績の原則など7節)」,第7章「後ろを振り返り,前を見る」,「文献」「索引」「訳者あとがき」。
余分なことであるが,「改訂版教育評価法概説」本体2300円図書文化,「授業のなかの評価」&「小学校・少人数指導の評価―個に応じた指導」各々本体1800円から目を通していただけると,いっそう理解が深まると思われる。