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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1060
河野英太郎著「99%の人がしていないたった1%のリーダーのコツ」(株式会社ディスカバー・トゥエンティワン 本体:1400円)
最近,リーダーについて異常なほど関心を持っている。身の回りに様々なタイプのリーダー(社長・役員・部長など,校長・副校長・教頭など)がいて,そのもとで働いている人々(部下,教職員など)に様々な影響(やる気を引き出す・やる気を失わせる,よさや能力を引き出す・よさや能力をつぶしてしまうなど)を及ぼしているからである。
一般的に,リーダーは「変化を見極め組織の向かうべきビジョンを掲げ,関係者を動機づけ,ビジョンに向かわせる人」,マネージャーは「決められた目標に向けて組織を管理し,目標を達成する人」である。が,筆者は,リーダーとは「性善説に基づき人をやる気にさせる仕事」で,マネージャーは「性悪説に基づき人を管理する仕事」と,意味深の捉え方をしている。(「はじめに」より)
リーダーの本当のところは,どこにあるのだろうか。リーダーは大きな組織のトップにだけに求められるのではなく,大小さまざまな組織の補佐,班長,主任などにも求められると考えたら,本書の活用範囲が飛躍的に広がると思われる。目次を紹介するので,自分の立場と役割を重ねてみて,感ずることがあったら読んでほしいし,ヒントにしてほしい。
CHAPTER1「メンバー選びのコツ(4番バッターばかり集めない,異分子を入れる,イエスマンに注意するなど9つの提案)」。
CHAPTER2「仕事依頼のコツ(ビジョンを添える,メリットを添える,箸の上げ下ろしまで口出ししないなど7つの提案)」。
CHAPTER3「メンバー評価のコツ(手柄は必ずメンバーに渡す,ネチネチ言わない,説明できない引き上げ(注:抜擢)はしないなど8つの提案)」。
CHAPTER4「トラブル対処のコツ(メンバーのSOSには最優先で対処する,矢面に立つ,自分のミスは素直に認めるなど10の提案)」。
CHAPTER5「チームを前進させるコツ(一貫性を持つ,やるべきこととやりたいことの二軸で考える,いいわけでなく解説するなど14の提案)」,
CHAPTER6「モチベーションを高めるコツ(悪口を言わない,話すより聞く,情報を積極的に渡す,失敗してもチャンスを与えるなど13の提案)」。
CHAPTER7「人を育てるコツ(文句と意見を区別する,昔話をしない,自分も学び続けるなど10の提案)」。
CHAPTER8「自分を整えるコツ(いつでも暇をよそおう,知ったか振りをしない,他人を頼るなど11の提案)」と,人間修行にも役立つ。