ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その1063

教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その1063

松浦弥太郎著「もし僕がいま25歳ならこんな50のやりたいことがある。」(講談社α文庫 本体:560円)


 著者は現在53歳(本書を執筆したころは48歳であった)の人生の一番脂ののった年代である。その著者が,「もし25歳なら...」と言いつつ,「これからひと花もふた花も咲かせてやるぜ!」と言っているようにも思えるし,ひ弱で頼りなく見える若者たちに「もっと挑戦しろ!」と檄を飛ばしているようにも思える。と,期待して読み始めた。

 50の中には,上記のような部分もあるが,人生を夢に向かって挑戦していくために,自分流の生き方を貫くために,やりたい(やりがいのある)仕事に就き自分を輝かせたいために,どのようにやっていったらよいかということに係わるヒント,具体的な行動の在り方を示したものと,とれなくもない。

 筆者の体験的知見に基づくもので説得力はあるが,生き方・考え方は人それぞれであるので,納得できる部分を取り入れていったら,行き詰っている自分を「元気に」「明るく」「前向きに」変えてくれるかもしれない。

 50のうち印象に残ったいくつかの「タイトル」を紹介する。「02:小さな成功を積み重ねる」「04:素振りを怠らない」「10:好きを深堀する」「12:何でもベスト」「20:小さな約束こそ守る」「31:貪欲に本を読む」「37:ラクしてもうけない」「40:無理です,できませんは,口にしない」「48:観察力を鍛える」「49:基本に忠実に」等々,なぜか51があり「51:日本人としての誇りをもつ」である。