ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その1066
教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1066
中村智彦監修・著「思わず話したくなる・モノの仕組み・ふしぎ雑学」(永岡書店 本体:700円)
日本の考え方や技術は,世界の中で「けっこう優れている!」ということは,それなりに分かっているつもりであった。でも,本書を読んで,そのことが十分理解できた。
多分,本書は,小学校高学年,中高生あたりを対象にした「雑学事典」なのではないかと思われるが,世の中のたいていのことがわかっている大人にも楽しめる1冊である。
本書は,次のような構成になっている。目次をめくり,気になったこと,知りたいこと,面白そうなことを見つけて,読み進めるのがよさそうだ。1項目について,半ページから2ページ程度に簡潔に解説してあり,新しいことを知る楽しみに浸ることができる。学力向上は保証できないが,何かを創り出そうとしたときのヒントを得られそうだ。
1章「知らぬ間に使っていた!動植物の生態をヒントにしたモノの仕組み(500系新幹線の騒音対策はフクロウとカワセミが先生だった,痛くない注射針は蚊の針をまねていた,快適なショッピングセンターはシロアリ塚をまねているなど32の話題)」,2章「知っているようで知らなかった!一級品の技術が光るモノの仕組み(スカイツリーと五重塔は同じ構造だった,点字ブロックは日本のものが世界標準だった,日本製の印刷機は他国の紙幣印刷を担っていたなど72の話題)」,3章「日々の生活で使っている!身の回りのモノの仕組み(ICカードが認証と読み書きを行う時間はわずか0.1秒,消せるボールペンは冷やせば文字が復活する,洗剤不要で衣類がキレイになる洗濯機とは? お湯を沸かさずに食べられるインスタントラーメンがあるなど92の話題)」,4章「毎日お世話になっている!乗り物・家電の仕組み(電気自動車はおもちゃと同じ仕組みだった,パンクしても走行できるタイヤがある,大型船には海水を入れるタンクがあるなど20の話題)」,5章「技術力がここまで高まっている!先端技術がいかされているモノの仕組み(月面の太陽電池で地球の電力をすべてまかなう時代が来る,意識するだけで驚くほど柔軟に動く義手があるなど12の話題)」と,情報満載である。