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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その1070

「月刊プリンシパルPRINCIPAL2018年11月号」(学事出版 本体:740円)


 特別支援教育が,特別ではなく,当たり前のこととして行われることが重要である。従来の「困った子」から「困っている子」へ転換され,「困っている」の「困っていること」へ支援していこうとなったことは大きな進歩である。

 このことに対応したかのごとく今月号の特集は「特別支援教育の充実」で,東北福祉大学教授樋口一宗「合理的配慮と学びのバリアフリー」,千葉商科大学准教授川崎知己「今,特別支援教育の中身の充実に息を吹き込むとき」が組まれ,特集例話「校長研修会向け:リタリコ(注:障害のない社会をつくる目的の企業LITALICO)との連携を取り入れた校内教育支援体制づくり」戸田市立戸田第二小学校長小髙美惠子,「職員会議&校内研究会:ユニバーサルデザインの授業づくり」高山市立東小学校長山本茂,「校内研修」であり,充実した内容である。

 本誌は学校講話の専門誌である。今月の講話は,小学生向け全校朝会「中だるみ注意!目標を振り返り学年の後半を有意義に(片寄玲子)」「数字は世界と宇宙をつなぐ言葉(山本滋基)」「縁起がよい月(白井一之)」,中学生向け「文化祭直前の全校朝会:感動祭で大きな感動を(宮本修)」「全校朝会:点十虫てんとうむし(大谷正敏)」「部活動の大会・各種コンクールの壮行会:辛抱は扉を開く鍵(蓮沼千秋)」,保護者向け「新1年生入学説明会:朝の愛情は山よりも高く,海よりも深し(佐々木正幸)」「保護者会:正しい判断力と勇気ある行動(大谷正敏)」,教師向け「初任者・若手教員研修会:共感的な生徒指導力と学校経営マネジメント力(宮本修)」「校内研修や研究授業の協議会:学び続ける教師(蓮沼千秋)」と,ちょっとアレンジすれば使えそうなものばかりである。

 連載の「校長学コーナー(11の論文・解説)と「学校講話関係コーナー(10の論文・解説)」も役立つ内容である。

 校長だけでなく,副校長・教頭,教務主任や生徒指導主任や研究主任などのミドルリーダーにお勧めしたい雑誌である。