ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その1078

教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その1078

鳥取県指導主事等研究協議会作成「算数・数学の授業づくり」(平成30年8月 「鳥取県教育委員会算数・数学の授業づくり」で検索)


 文部科学省から全国学力・学習状況調査の結果が公表された。とかく平均点や順位に多くが向きがちである中で,鳥取県教育委員会と各市町村教育委員会の指導主事が,1単位時間の授業の充実によって,児童生徒の「内発的な学習意欲」や「知識・技能や考え方を活用する力」の向上を目指していることは素晴らしい発想と本質的な方策であると受け止めた。

 全国学力・学習状況調査の結果に課題のある教育委員会,教育委員会の指導主事,関心のある学校の必読の冊子である。

 本冊子では,「とっとりの授業改革の10の視点(知的好奇心の喚起①②,活用力を育てる言語活動③④⑤⑥と学習評価⑦,次につなげる振り返り⑧⑨,学びの集団・人間関係づくり⑩)」,「主体的・対話的で深い学びととっとりの授業改革の10の視点との関わり(主体的な学び①②③④⑦⑧⑨⑩,対話的な学び③⑤⑥⑩,深い学び①~⑩)」,「とっとりの授業改革10の視点をを踏まえた算数・数学の授業づくり(①弾力的な課題・教材の提示,②体験的な学習の充実,③資料の活用,④思考の整理,⑤説明・発表の機会の充実,⑥学び合う活動の充実,⑦学習評価の推進,⑧学習を振り返る活動の設定を,鳥取県のスタンダードをレベル1,レベル2,レベル3で示し,レベル2以上の実現を目指している)」という構成になっている。

 なお,「とっとりの授業改革10の視点をを踏まえた算数・数学の授業づくり」の①~⑧については,具体的な展開例を例示して,簡潔・平易に解説している。

 本冊子を参考にして,教室の中の児童生徒の実態に応じた授業づくりに活用していただきたい。