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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その1082
「教職研修2018年11月号」(教育開発研究所 本体:1000円)
掛け声だけで一向に具体化しないのが働き方改革である。これでは,教師が子どもに向き合う時間の確保どころか,却ってブラック化してしまいかねない。
そこで,今号はの特集1は,「学校で,今すぐ取り組める業務改善―するかしないかは,管理職次第」で,「まずは,教職員のマインドセットを変えよう」住田昌治,「業務改善の進め方を,全教職員で確認しよう」賀口裕史,「業務改善に保護者・地域を巻き込もう」新保元康,「<アンケート>こんな業務で困っています!」,「学校で,すぐに取り組める業務改善"5つ"の案」(職員室を見直す・本田正道)&(グループウエアを活用する・近江ひと美)&(ガイドブックを作成し活用する・中谷京子)&(学校組織をプロジェクト型にする・小髙美恵子)&(ペーパレス会議にする・若松秀一)と,学校現場発想の働き方改革に弾みをつける内容で,参考になる。
「来年のことを言うと鬼が笑う」と言われているのに,特集2は「文科省と経産省がそれぞれに描く,教育の未来―次期学習指導要領の先にある学校は,教師は」で,2020年完全実施の対象になっている新学習指導要領の「先」のことについて考察している。内容は,「文部科学省・Society5.0に向けた人材育成」合田哲雄,「経済産業省・未来の教室とEdTech研究会:第一次提言」浅野大介,「EdTechは私たち教員に何をもたらすか?」佐藤昌宏である。今のことでいっぱいいっぱいだと言わず,ちょっと目を通してほしい。
連載の巻頭インタヴュー「認知科学から考える,AI時代の学び」今井むつみをはじめ,「学校マネジメント・学校経営」「管理職の資質・職務」「教育課程」「教育時事」なども参考になる。