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教育研究所
書評:気になる1冊1084
「児童心理2018年12月号」 (金子書房 定価:916円)
子供の心を成長させようと思っている教師と保護者のための専門誌で,今号の特集は,これにぴったりのややもすると問題児扱いしがちの「一人でいたい子」を取り上げている。
総論は,「一人の時間の中で育つもの」西平直,「一人でいる子は問題なのか?」小川仁志,「一人を楽しむ心理とその深み」永井撤,「みんな一緒にを求めすぎる日本の学校教育」古賀正義,「クラスの空気の圧力と学級風土」伊藤亜矢子で構成されている。
各論の前編は,「一人でいたい子の気持ち―理解とかかわり」で,「自分のペースでやりたい」「友達なんて欲しくない」「グループにいたいけど・いたくない」「ボク・ワタシの部屋に入らないで」「仲間に入れてもらえない」「一人でメディアと過ごす時間・空間が好き」「不登校の子の一人時間の意味」「子供が一人でいることを心配する親へ」を取り上げている。
各論の後編は「ここの思いを大切にする学校」で,「一人でいたい子の居場所づくり」「自分と向き合い空間・時間をつくる」「豊かな内面世界を伸ばすために」「学校行事への参加を渋る子への配慮」である。
さらに,小松郁夫「子を尊重する欧米の教育-イギリスの場合」,熊谷高幸「一人の時間と空間を愛した偉人達)」と,別の視点からの情報も紹介されている。
自分の学級の子供たちを温かいまなざしで見つめ,本書を参考にして指導・支援・配慮していただきたい。(H&M)