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教育研究所

書評:気になる1冊1085

「教職研修2018年12月号」 (教育開発研究所 定価:1080円)


 「地域の人的・物的資源の活用」に取組んで,その効果を認める一方で,多忙化の増長に悩んでいる学校の悩みを耳にすることが少なくない。そんな状況にいち早く対応して,今号の特集1は,「ねらいが不明,評価をしていない,多忙を助長する......もう失敗しない外部人材との連携授業」を取り上げている。

 具体的には,長田徹「外部人材なしには教育課程が組めない時代」,佐藤晴雄「外部人材との連携と,働き方改革―打ち合わせのコツ」,宮崎稔「外部人材との連携授業によくある失敗」,岸祐司「外部人材発掘法」,アンケート「外部人材から見た,ここが問題!学校の連携授業」,高橋正尚「学校主導の連携授業を実現する外部人材の見極め」と,充実している。ノーベル賞受賞の本庶先生流に「信じるな!」とまでは言わないが,クリティカル・リーディングをすれば宝物が詰まっている。

 特集2は,「全国学力調査は,なぜ間違って活用されるのか」で,清水宏吉「大阪市長の方針によって,何が起きると予想されるか」,川口俊明「全国学力調査と教員評価」,浜野隆「エビデンス足り得る調査には,何が必要か」,山崎博敏「学力の伸びを測る埼玉県学力・学習状況調査の可能性」と,今話題となっている「学力調査の目的外使用」への各氏の見解である。

 連載の坂田仰「法律で読み解く学校経営プログラム」,菱村幸彦「ケーススタディ・教育法規の応用講座」,妹尾昌俊「グッドプラクティスに学ぶ学校の働き方改革」,荒川由美子「私の学校経営信条」,天笠茂「学習指導要領改訂と学校経営」,高橋ユキ「管理職のための今どきスマホ・ネット事情」などからも,幅広い情報が得られる。(H&M)