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教育研究所
書評:気になる1冊1088
「リーダーズ・ライブラリー 8」 (ぎょうせい 本体:1350円)
今号の特集は「シリーズ・授業を変える」の第3弾で,「子供の学びをみとる評価」で,「新しい指導要録」の文科省「通知」を目前に控えて,大変興味のある内容である。
論考は,おなじみの識者によるもので「新教育課程の趣旨を生かした今後の学習評価」関西学院大学教授佐藤真,「主体的に学習に取り組む態度の評価とはどのようなものか」東京学芸大学准教授林尚示,「新教育課程を生かす評価の在り方」京都大学准教授石井英真などである。
提言は,「学校における学習評価の工夫・改善への支援」元全連小会長大橋明で,とても読みごたえがあった。
恒例の「教育スクランブル」は「若手教師のための学習評価講座」で,伊藤幸子「指導と評価の一体化とその方略」,竹原章雄「評価情報の解釈法と目標に準拠した評価の進め方」,佐藤真「思考力,判断力,表現力と主体的に学習に取り組む態度の評価」と,今号の特集に特化したもので,若い先生にとっても,ベテランの先生にとっても,学び取る点が少なくない。
また,直言「今求められるスクールリーダーズシップ・教師を育てる校長」千葉経済大学短期大学部名誉教授飯田稔も,少々耳が痛いが「ガッテン!」のいく内容である。千葉大学特任教授天笠茂「学校経営の地図・児童生徒の発達を支える指導の充実」,島根県立大学教授斎藤一弥「見方・議論する高徳と那覇にか考え方と学びの文脈」,教育ジャーナリスト渡辺敦司「教科を超えた学びを促す国際バカロレアのプログラム」,吉本幸夫「特別寄稿・考える道徳,議論する道徳とは何か」なども,大変役立つ情報だった。
巻頭インタビューは,特別支援教育ネット代表の小栗正幸氏「ユニバーサルデザインの発想でどの子にもひびく支援を」で,学習評価の進め方にも援用されるべき内容である。 (H&M)