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教育研究所
書評:気になる1冊1091
監修・日本国語教育学会,植山俊宏・山元悦子編著「シリーズ国語授業づくり『話す・聞く』伝え合うコミュニケーション力」(東洋館出版社 本体:1800円)
子供が生活していくうえで,各教科等の学習で,言葉によるコミュニケーション,その中でも「相手に自分の意見や考えを伝えようと意識して話すこと」や「相手の言い分や考えを,理解しようと意識して聞くこと」は,極めて重要なことである。
本書では,このことに焦点を当て,理論的に,教育的に,実践的(具体的)に示してあり,若手の先生には基本を押さえることに,ベテランの先生には自らを振り返るために,指導的な立場にある先生には指導のポイントを押さえるために,大変役立つ1冊である。
ネタ晴らしにならないように,目次の概要を紹介する。
Ⅰ章「言葉の学びの土台を作るコミュニケーション力(小学校段階で育てておきたいコミュニケーション力の中核など4節)」,Ⅱ章「話す・聞くの基礎・基本(実りのある対話や話し合いにするにはどうすればいいですか?対話や話し合いの力はどう評価すればいいですか?など15のQ&Aで解説)」,Ⅲ章「伝え合うコミュニケーション力(教室環境を整える,コミュニケーション活動の種類,読むことの学習のなかのコミュニケーション活動,書くことを通して育つコミュニケーション力,話すこと・聞くことの指導とコミュニケーション力の指導の関係,コミュニケーションスキルの種類,コミュニケーション力の評価)」,Ⅳ章「話す・聞くを重視した単元の展開例(低学年,中学年,高学年の例)」と,小学校の国語の教育のきらりと光る情報が満載である。
小職は算数教育をほんの少しかじってきたが,これは算数授業でも使えるということがたくさんあった。(H&M)