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教育研究所
書評:気になる1冊1095
齋藤孝著「やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法」(筑摩書房 本体:700円)
子供を持つ親なら誰もが,子供に質の高い学力を付けたいと思っている。教師だって誰もが「子供のやる気を高め」,「質の高い学力の定着・維持・発展」を願うものである。本書は,そこに焦点を当てて著したものである。
しかし,この種の主張は,「万病に効く薬」と似たところがあり,慎重に受けとめる必要がある。心理学的に,教育的に,指導法的に,子供理解的に,科学的に吟味しながら読み進める必要がある。そして,「これならば!」ということに限定して,ヒントに活用することである。そういう意味では,学ぶべきことが点在していた。
第1章「勉強はなぜ必要なのか(勉強するしないは個人差ではなく家庭の差,家庭の役割など9節)」,第2章「やる気をアップさせる(人のために役立つことを動機づける,あこがれる心を育てる偉人伝など12節)」,第3章「やる気のスイッチを入れる(ほめることでスイッチを入れる,英語と数学が勉強法の軸になるなど6節)」,第4章「親の役割はペースメーカー(親は勉強の面白さを伝える,親が子供の横で本を読む効用とはなど10節)」,第5「家庭での勉強のしつけ方(1日1時間机の前に座る習慣づけを,30分テレビを見たら30分勉強するなど11節)」,第6章「音読の効用(3節)」,第7章「男の子の勉強,女の子の勉強(6節)」,第8章「科目別の勉強法(各科目の勉強法とはなど7節)」,第9章「勉強に関するQ&A(12のQに対するA)」と,多様な観点から著者の見解が展開されている。(H&M)