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教育研究所
書評:気になる1冊1098
「月刊高校教育2019年1月号」(学事出版 本体:950円)
今回の教育改革は,どうも高等学校を中心に語られているようで気になっている。だからかもしれないが,説明・解説が哲学的で難しく,「これで,義務教育の学校現場に浸透していくだろうか?」と(私だけかもしれないが)心配すらしている。
今月号の特集は,「2019年の高校教育」であるが,小学校や中学校の教師にも学ぶ事柄の多い内容であった。「だから小学校がこうなったのか!」「なるほど中学校がここにつながっていくのか!」と,思う部分が少なからずあった。
「教育改革2019年(人口減少と技術革新,考える市民を育てる,どこへ行く入試改革など)」朝日新聞編集委員氏岡真弓,「学校という社会資本に求められる探究の学び(お掃除ロボットはさぼらない,求められる探究の学び,探究のプロセスの重要性と質的向上など)」國學院大學教授田村学,「高校現場の2019年(探究学習の充実,キーワードは多様性,Society5.0など)」都立白鴎高校・附属中学校長善本久子,「小中学校との関係でとらえる2019年(新学習指導要領のタイムラグ,Society5.0とそれぞれの対応など)」兵庫教育大学准教授川上泰彦。
巻頭インタビュー「OECDが描く2030年の教育」OECD教育局シニア政策アナリスト田熊美保では,2030年の新たな教育について語り,日本で新しい動きを起こしていくことの勇気を求めている。
また,時の眼「ALの前提を疑う成否の条件を明確にすべき」耳塚寛明では,「ALの流行,個人的見解,導入すればうまくいくわけではない,だからやめるべきだとは思わない」と,冷静で前向きな対応を勧めている。
さらに,実践的!学校マネジメント論「学校の危機管理」星槎首都大学特任教授西崎毅では,北海道の厚真高校の大地震の際の対応と,被災から再開に向けてを例に,危機管理のポイントを解説している。
連載,「探究を探究する」廣瀬志保,「悲鳴を上げる学校」小野田正利,「教育政策動向ウオッチ」渡辺敦司,「教頭日誌153」など様々な情報が詰まっている。(H&M)