ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:気になる1冊1101
教育研究所
書評:気になる1冊1101
沼口麻子著「ほぼ命がけサメの図鑑」(講談社 本体:1800円)
主人公がサメということで,関心を持つ人は限られるかもしれない。父親は半農半漁だったので,アジやサバの漁に出ていたのに,網にかかった目的外のサメを持ち帰ることがよくあった。その150㎝くらいの大きなサメを様々に料理して食べたことを懐かしく思い出す。そんなことで,本書を手にした。
著者は「はじめに」にで,「みんなが恐れおののくような人食いザメなんてそもそも存在しない」とサメ愛を書いているが,当時の漁師は,「自分より小さな物はエサだと思って襲うから気を付けろ!」と言っていたように記憶している。だから,海面にぷかぷか浮き海中を眺めながら糸を垂らして釣りをする場合,腰に長い糸を縛って,その先に釣り上げた魚を結わえておいて,獲物(サメにとっての餌)を体からなるべく離しておいたものである。私もそうしていた。
だからと言って,本書の価値とは関係ない。次のような内容構成になっていて,サメに関心を持っている者にとってはたまらない本である。
「はじめに・サメの甘噛み(サメについての著者の所感,サメを観察するダイビングの際の注意事項3つなど)」,第1章「サメのよろず相談室(人食いざめってどこにいるんですか?など13のQ&A)」,第2章「わたしの体当たりサメ図鑑(ネコザメ,ジンベイザメ,ミッシェルエポレットシャークなど著者が出会った15種類のサメの体験)」,第3章「わたしの世界サメ巡礼(1杯45000円のフカヒレラーメン,飼い猫のようにじゃれてくるドチザメに微笑み返しなど9つの体験)」,「ちょっとフカ掘りサメ講座(サメに襲われないために守ることはたったひとつ,「本当に怖いのはシャチ」ベテラン漁師の白鯨体験など12の講座)」,「サメ界ミイラのエースたち(3人の話)」,「サメ体験スポット(サメ体験のできる24のスポットの紹介)」,「おもな参考文献と参考WEBサイト」。(H&M)