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教育研究所
書評:気になる1冊1105
「総合教育技術2019年2月号」(小学館 定価:1130円)
小学校で,3・4年に新しく「外国語活動」が新設され,5・6年が外国語活動から「外国語」に変更された。これはこれでいいのだが,肝心の国語教育もきちんとやってもらいたいという声も少なくない。
特集1は,この外国語教育に関連して,「英語教科化の今こそ考えたい国語教育の改善と充実」で,PART1「教育活動の根幹としての在り方とは?新学習指導要領時代に求められる国語教育の理念と実践(改訂のポイントを再確認「新学習指導要領の趣旨を抑え,時代に即した国語授業への改善を図る」,識者インタビュー「覚える学力から考える学力へ・これからの国語教育を通じて育む資質・能力とは」高木展郎&「国語化における日本語教育と身体を通した言語の習得がより重要な時代に」)」,PART2「主体的・対話的で深い学び実現のカギ・思考力,判断力,表現力を育む授業づくり実践レポート(実践レポート「主体的な学びを支える教師の役割とは・本気の対話で児童の考える拡げて深める」東京・目白小学校,「単元や本時,話し合い活動におけるつけたい力を明確にした授業づくり」三重・亀山東小学校,「自分の意見をしっかり他者に伝える。対話型授業を重視し表現力の向上を図る」広島・永末小学校,「読むことと書くことを関連させ自分の考えを発信できる能力を育む」茨城・高山中学校)」と,国語教育が教育活動の根幹であることを主張している。
特集2は,「社会に開かれた学校を実現する企業の社会貢献を活用したカリキュラム・マネジメント」で,学校にも企業にもメリットのある「出前授業」の在り方を,例を挙げて具体的に紹介している。現状分析&問題提起「企業・学校ともメリットのある出前授業実現のためのポイント」,実践レポート①カシオ計算機株式会社「本気の授業で子供たちに「いのち」を伝えたい」,実践レポート②味の素株式会社「体験を通じて,味わうことの大切さを感じてほしい」,実践レポート③こどもアナウンス発声協会「響く声が出せるようになって,子供に自信を与えたい」,授業レポートMSD株式会社「実感を持って「科学者たちのルール」が学べるサイエンス・スクール」で,「地域の人的・物的資源の活用」による教育活動の幅を一気に広げてくれる。
連載の菊池省三「菊池省三の学級づくり」,堀田龍也「学校リーダーのための間違えないICT実践」,新保元康「やる気を引き出す職員室改善アイディア」等々と,多様な視点からの情報に接することができる。 (H&M)