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教育研究所

書評:気になる1冊1118

文科省編集「初等教育資料2019年2月号」(東洋館出版 定価:540円)


 変化の激しい社会をたくましく生き抜く児童を育成するためには,各教科等の目標と特性に応じた指導が必要である。その際,キャリア教育の視点を持って進めることが強く求められる。が,「具体的にどう進めたらよいか?」が,悩みの種である。

 そこで,本誌の特集Ⅰはタイムリーに「キャリア教育の推進」を取り上げ,学校・教師に指針を与えてくれる。

 解説「一人一人の発達を支えるキャリア教育の充実」文科省児童生徒課,論説「1:新学習指導要領とキャリア教育~特別活動をかなめとしたキャリア教育の推進」安部恭子,「2:子どもの発達を支えるキャリア教育の展開」藤田晃之,論説事例「1国語科の特質に応じたキャリア教育」菊池英慈,「2:社会科同」小倉勝登,「3:算数科同」笠井健一,「4:理科同」生川哲也,「5:生活科同」渋谷一典,「6:音楽科同」志民一成,「7:図画工作科同」岡田京子,「8:家庭科同」筒井恭子,「9:体育科同」高田彬成&横嶋剛,「10:外国語活動及び外国語科同」直山木綿子,「11:道徳科同」浅見哲也,「12:総合的な学習の時間同」渋谷一典,「13:特別活動同」安部恭子と,各教科等での進め方がよく理解できる。

 特集Ⅱは,特別活動「キャリア教育の要としての特別活動について考える」で,特集Ⅰをさらに強化している。

 解説「キャリア教育の要としての特別活動について考える」安部恭子,座談会「キャリア教育の要としての特別活動の推進」宮下和己×村田かおり×橋谷由紀×占部美緒子×安部恭子,事例「1:なりたい自分に向けて努力する学級活動の推進」清水晶子,「2:自分の役割に気づき,主体的に活動する児童会活動の推進」尾前美穂,「3:よりよい人間関係を形成し,個性を伸長するクラブ活動の推進」平尾紀子,「4:自己裕洋館を育み,よりよい生き方を実現する学校行事の推進」岩佐隆之と,充実している。

 また,巻頭言・子供と教育は,「今後のキャリア教育への期待」大谷大学教授荒瀬克己,教育委員会レポート「確かな学力を育成する探究型学習の推進」山形県教育委員会・佐藤紀之なども読みごたえがある。(H&M)