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教育研究所
書評:気になる1冊1124
「総合教育技術2019年3月号」 (小学館 定価:1130円)
平成30年度もあと僅かとなった。今年度のまとめをし,新年度の構想を立て,準備と引継ぎをする時期である。成績付け,卒業式や修了式などに加えて移行期の振り返りと調整と,多忙な時期であるだけに,適切に,効果的に,そしてできるだけ省力化して進めたいものである。今月号の<総力大特集>は「移行期2年目に備える!新年度への準備と引継ぎ」で,以下のような構成になっており,管理職だけでなく,ミドルリーダーにもぜひ目を通してほしい内容である。
<PART1>1年目をどう振り返り,新年度にどう生かすか「全面実施まであと1年!移行期2年目への心構え(移行期2年目をどう進めるか「小学校では全面実施まであと1年 さらに踏み込んだ理解と意識の共有を」編集部,「識者インタビュー:移行期1年目の成果と課題を整理し学校の実態や現状に応じた取り組みを図る」横浜国立大学教授石塚等)」。
<PART2>チェックリストで確認!「役職別・準備と引継ぎのポイント(校長編「全教職員に当事者意識を持たせよりよい方策の模索を継続する」川口市立朝日東小学校長熊谷茂樹,副校長・教頭編「移行期2年目の意識づけをより強め,教員とともに授業,教育課程を築き上げる」横浜市教育委員会主任指導主事場家誠,ミドルリーダー編「新学習指導要領の理解を全校に浸透させ管理職との良好な関係を築き全面実施に備える」杉並区立高井戸小学校主任教諭細川隆弘)」。
特集2は,2つのポイントからキャリア・パスポートのつくり方まで「子どもの学習意欲を育てるキャリア教育」で,学力向上との関連,新年度から導入されるキャリア・パスポートの取組などに触れ,自校のキャリア教育をさらに一歩進めるための参考になる。
提言「草創期のキャリア教育の残像から脱却し将来を見据えた取り組みを行う必要がある」筑波大学教授藤田晃之,教科等を通じた日々の学び「日々の教育活動にキャリア教育の視点から光を当て身に付けさせたい4つの力(よさに気づく,人を大切にする,思いを伝える,チャレンジする)を育成」世田谷区立尾山台小学校,地域・企業等との連携による体験を通した学び「地産地消サイダーを通して地域とつながり販売を経験することで自己肯定感が高まる」横浜市立浅間台小学校,小中一貫キャリア教育「新領域「いまとみらい」と教科学習の両輪で,4つの「社会参画力(矛盾や困難を乗り越え自立して生きていく力,社会の中から課題を捉え解決する力,人や社会に働きかける力,学ぶ意味を捉え学んだことを社会に生かす力)」を育む」高槻市市立第四中学校,兵庫県キャリアノートの取組「4つの柱を設定しキャリア教育の全体計画に基づいて実践」洲本市立安乎小学校。
さらに,「教師教育の深層―教師教育の行方」多賀一郎,「学校リーダーのための間違えないICT実践編」,「学校を活性化する若手管理職育成Q&A」稲垣孝章なども参考になる。 (H&M)