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教育研究所
書評:気になる1冊1125
「児童心理2019年3月号」 (金子書房 定価:916円)
戦後すぐに発行され「子どもの心を育む教師と親のために」様々な情報を865号にわたって発信してくれた「児童心理」が,今号をもって休刊となる。私もことあるごとに本誌を読み込んでヒントを探したものである。誠に残念至極である。
特集は「子どもが信頼する先生」で,教育と教師の神髄に迫る内容である。「信頼とは何か」東京カウンセリングセンター所長菅野泰蔵,「子どもの人生で「信頼感」が育まれていく過程」埼玉大学准教授清水由紀,「子どもの信頼感の構造」クリニック川畑院長川畑友二,「信頼される教師」上越教育大学教授赤坂真二,「子どもの信頼する力を育てる―ジブリ映画に学ぶ」京都光華女子大学教授藪添隆一。
「子どもが先生を信頼するとき(「自分の話をよく聞いてくれる」刈谷市立日高小学校教諭中野真吾,「わかりやすく,ていねいに教えてくれる」北区立豊川小学校長村松良臣,「自分の成長のために叱ってくれる」仙台市立錦ヶ丘小学校教諭中嶋卓朗,「約束を守ってくれる」旭川市立啓明小学校教諭宇野弘恵,「自分の気持ちを分かってくれる」名張市教育委員会指導主事但馬淑夫,「自分に希望を与えてくれる」葛飾区教育委員会指導主事木村文彦)」,「親から信頼される教師」横浜市立舞岡小学校教諭町田智雄。
「師への信頼と共に思い出す私の先生(「師匠は自ら見出すもの」神戸親和女子大学准教授平尾剛,「ピラミットにおける人間研究」エジプト考古学者河江削剰,「私の先生と子どもたちの先生」ミスDJリクエストパレードラジオパーソナリティ千倉真理,「プロへと導いてくれた先生」囲碁プロ棋士吉原由香里,「カルチャー・ショックを与えてくれた人生の師」旅行作家蔵前仁一)」。
さらに続いて,「小林宗作校長とトットちゃん―信頼が結ばれるとき」木俣知史,「子どもと共に学ぶ・ニイルの目指した教師像」堀真一郎,「ボランティア・コーチに支えられているスポーツ界」松元剛,「メディア作品にみる教師像」馬居政幸,「アメリカ映画「いまを生きる」に見る子どもと教師の姿」冨田和巳,「うまくいかない学級に向き合う―しなやかな(自分軸)学級経営を」白松賢,「学校外の子どもの今・母子家庭を支える母子支援施設から」酒井茂樹などと,「教師を考える」ヒントが満載である。 (H&M)