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教育研究所

書評:気になる1冊1126

「教職研修2019年3月号」 教育開発研究所 定価:1080円)


 文科省から平成31年1月21日に,「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」が公表された。新学習指導要領の完全実施となり,これによって目指した児童生徒を育成できたかどうかを確認するための「学習評価」は,どのように改善されるのか,教育委員会や学校・教師は,今,「報告」を熟読しているところである。

 今号は,特集に「どうなる?新学習指導要領の学習評価―中教審・教育課程部会「通知」徹底解説―」を組んで,その理解を助ける企画を展開している。

 総論「新しい学習評価は何が変わるのか」東京大学教授市川伸一,各論「学習評価はカリキュラム・マネジメントにどう位置づけられるか」京都大学准教授石井英真,「観点別学習状況の評価をどうすればよいか」横浜国立大学名誉教授高木展郎,「観点別学習状況の評価と評定をどう取り扱うか」静岡県立袋井高校教諭鈴木秀幸,「評価を子どもの学びにどう還元するか」武蔵野市立第五小学校長嶋田晶子,「テストはどう工夫すればよいか」関西学院大学教授佐藤真,「指導要録・通知表はどうなるのか」鈴木秀幸,「特別な配慮を必要とする児童生徒の学習評価をどうすればよいか」桃山学院教育大学教授石塚謙二,「学校の評価体制をどう構築するか」光市立浅江中学校長伊藤幸子,「働き方改革の観点から学習評価をどう工夫すればよいか」高松市教育委員会教育長藤元泰雄と,教職員で理解を共有する校内研修で役立つ情報が詰まっている。

 また,巻頭インタビュー「東京オリ・パラを,学校教育の力で未来につなげる」筑波大学教授・柔道家山口香は,オリ・パラを教育をどう進めたらよいか迷っている小中学校,有名なアスリートを招聘して講演会を開きお茶を濁している小中学校は,状況を振り返り軌道修正していくために,素晴らしい視点を示してくれる。

 さらに,「働き方改革を拒むのは誰か」妹尾昌俊,「学習評価に法的規制はない」菱村幸彦,「ミドルとともに学校の教育目標の見直しを」天笠茂,「ALのPDCA③学び合い」西川純,「校長のリーダーシップ論」神田正美なども読みごたえがある。(H&M)