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教育研究所

書評:気になる1冊1127

明日の教室研究会編集「シリーズ明日(あす)の教室1~学級経営の基礎知識・教師の一日一年~」(ぎょうせい 本体:1800円)


 学級経営の適切さと充実は,子どもの学校生活と学習活動の質に深くかかわる重要なことである。ところが,教員の急激な世代交代,加えて若手教員とベテラン教員の交流の希薄傾向が,学級経営の基本を身に付けることを難しくしている。といっても,この状況を見過ごしていては,子どもへの質の高い教育の保証を困難にするばかりである。


 本書は,学級経営の基礎を学ぶシリーズの1として,編集されたもので,教師の仕事の1日と1年間を概説したものである。「1日」の段取りと「1年間」の仕事暦が分かり,見通しをもって計画的に仕事を進める上でヒントになる。ただし,自分の学校の年間計画や実情に即してアレンジして活用することが必要である。

 第1章では,学級担任の1日を具体的に例示している。1「朝起きたら・出勤中」,2「学校についたら」,3「朝の会(管理事項は適切かつ効率的に,一点集中主義で子供たちを伸ばす,自主的活動を活性化させる)」,5「5分休み,中休み,昼休み(子供と教師の関係づくり,子ども同士の関係づくり,職員室での関係づくり)」,5「授業」,6「給食,弁当」,7「空き時間(事務をする時間)」,8「掃除」,9「帰りの会(振り返りタイムなど)」,10「授業後1(子供との時間を大切に,その日のことはその日のうちになど)」,11「授業後2(仕事の仕組み,会議の改善)」。

 また,第2章では「教師の1年」として学級担任の1年間の仕事について例示している。12「4月(学級開きなど)」,13「5月・6月(学級経営案,遠足など)」,14「7月(通知表記入など)」,15「8月(研修,事務など)」,16「9月(運動会など)」,17「10月(学級状態の把握など)」,18「11月(音楽会など)」,19「12月(通信簿の記入など)」,20「1月・2月(授業のまとめなど)」,21「3月(保護者会,通知表記入など)」。類書に「学級担任の実務カレンダー(学事出版)」がある。(H&M)