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教育研究所

書評:気になる1冊1132

伊藤穣一&アンドレ―・ウール共著「教養としてのテクノロジ-・AI,仮想通貨,ブロックチェーン」 (NHK出版新書 本体:780円)


 平成の時代が終わろうとしている。新しい「〇〇の時代」は,きっと,もっと希望に満ちたスリリングな時代になって欲しい。というより,すべく子供も,若者も,壮年も,高齢者も楽しく頑張ろう。新しい「〇〇の時代」は,AI,仮想通貨などが一層進化して,これらを抜きにしては生活できないようになると思われる。後期高齢者の自分は,適用できなくなるのではと,心配している。

 「自分には関係ない」ということでなく,大事なことだとは分かっているが,ついていけないのである。そんな自分に「読みなさい!」と言わんばかりに,本書が目についた。若い人は,よりよく生きるために一読をお勧めしたい。

 内容は次のような構成になっている。まず,「はじめに」を読んで,本書の趣旨を理解してから読み進めると理解が深まると思われる。

 第1章「AIは労働をどう変えるのか?(コンピュータがすべてを実現してきた,AIが人間を代替する,働くとは何か?など15の視点から考察)」,第2章「仮想通貨は国家をどう変えるのか?(国家vsサイバーバンク,インターネット・バブルの再来,被害者が出る仕組みはやめようなど18の視点から考察)」,第3章「ブロックチェーンは資本主義をどう変えるのか?(ブロックチェーンとは何か?,マグロの漁獲も自然資本,仮想空間でも必要なガバナンスなど19の視点から考察)」,第4章「人間はどう変わるか?(そもそも人間とは何か?,自動運転は倫理が問題だ,アンフェアなAIなど17の視点から考察)」,第5章「教育はどう変わるか?(ロボットを育てても意味がない,マインドフルネスに通じる考え方など9つの視点から考察)」,第6章「日本人はどう変わるべきか?(日本に星付きレストランが多いのはなぜか?,プロセスに時間をかけすぎる日本人,AIロボットの倫理など15の視点から考察)」,第7章「日本にムーブメントを起こせるのか?(アフターオリンピックの課題,日本が忘れている良さを思い出す,根源的な部分を考え直す時期など14の視点から考察)」,「あとがき(テクノロジーの可能性に気付き,未来に期待をふくらませるなど)」と,充実している。読み終えて一歩進歩したような気になった。(H&M)