ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:気になる1冊1133
教育研究所
書評:気になる1冊1133
「道徳と特別活動2019年3月号」 (文溪堂 本体:750円)
各学校は,小学校学習指導要領の完全実施を目前にして,移行措置に取り組んでいるところである。道徳科と特別活動については,専門書が少なく(大げさに言えば,のどから手が出るくらいに)学校現場は情報を求めている。
この状況に呼応して今月号の特集は,「2020年までラスト1年を走りきるための準備号―道徳科の計画・授業改善と特別活動指導資料の活用―」で,以下のように充実しており,自校の実践のヒントが得られる。
道徳では,論考「道徳科」総論「道徳教育全体計画と道徳科の年間指導計画の改善―共有し活用する全体計画・年間指導計画へ―」鈴村邦夫,実践1・校長「教科化の趣旨を踏まえた道徳科の計画づくり」山本洋,実践2・推進教諭「学校全体でつくる道徳を目指して―指導計画と授業の創造―」田澤裕子,実践3・研究主任「学校チーム一丸で取り組む道徳教育の充実」福永博一。
特別活動では,解説「特別活動」寄稿「みんなで,よりよい学級・学校生活をつくる特別活動(小学校編)の作成について」国研研究開発課,学級活動1「学級活動(1)の改定のポイントと効果的な活用法」新垣寿志,学級活動2「意思決定と実践の積み重ねで自己指導力を育成する学級活動(2)」山﨑邦彦,学級活動3「将来を見通し,なりたい自分に向けて努力する学級活動(3)」橋谷由紀,児童会クラブ「自主的,実践的に取り組む児童会・クラブ活動」小笠原陽一,学校行事「一連の活動として指導する学校行事の価値―丁寧なオリエンテーション―」清水弘美。
連載記事としては,文科省教科調査官連載「道徳・道徳科の授業のストライクゾーン・道徳科における教師の姿勢」浅見哲也,「特別活動・新学習指導要領の理念の実現を目指した特別活動の理論と実践・先行実施2年目に向けて」安部京子,「道徳・実践!赤ペンチェック・児童が考えるための指導の工夫」授業提案皆川慧・指導馬場喜久雄,「特別活動・実践!赤ペンチェック・児童一人一人が主体的に学級づくりに参画する学級活動(1)の指導――活動の目的と個人目標の設定」実践提案岩永尚子・指導木内悦雄,大人のための道徳講座「道徳・よりよく生きる―国際人・教育者 新渡戸稲造の姿から―」木村良平などなど,やる気を喚起してくれる。
なお,移行措置を効果的に進める参考文献として,現代学校経営研究会編「新学習指導要領を実現する学校マネジメント~スクールリーダーが取り組むべき8つの重要課題~」学事出版があるので,ついでに紹介する。(H&M)