ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:気になる1冊1140
教育研究所
書評:気になる1冊1140
「リーダーズ・ライブラリー2019年Vol.11」 (ぎょうせい 本体:1350円)
本誌は,「時代の学びを創る学校教育実践シリーズ」の一環で,今号は「インクルーシブ教育とユニバーサルデザイン」をテーマにしている。インクルーシブ教育は,特別支援学校を対象にしたものという誤解があるが,本書を精読し,全ての学校がこの発想に立ち,「困った子供」でなく「困っている子供」の,「困ったこと」に真摯に向き合い支援する教育を目指していただきたいと,切に願う次第である。
内容は,論考「ユニバーサルデザインを活かす指導と支援」玉川大学教授安蔵正紀&「ユニバーサルデザインに基づく授業づくり・一人の支援からみんなの支援へ」福岡市発達教育センター所長野口信介,事例「すべての子への指導と支援をめざし,きめ細かな施策の展開」高知県教育委員会特別教育支援課,提言「インクルーシブ教育の特別支援教育の推進・小中学校でユニバーサルデザインの推進」福岡教育大学教授納富恵子と,教育(授業)の本質を学ぶことができる。
また,特別インタビュー「学校・教委で新たな働き方の創造を―答申から読み解くこれからの職場づくり」放送大学教授小川正人,連載「現場における次世代スクールリーダー育成の構想」大野裕基,「教職員の面談と人事評価」猿樂隆司など,特別寄稿「校長のリーダーシップと学校挙げてのカリキュラム・マネジメント」村川雅弘,ルポ・社会に開かれた教育課程「古都・金沢のひと・もの・ことを活かす6年間のカリキュラム―自ら考え判断できる,地域の担い手を育むために」石川県金沢市立兼六小学校と,様々な情報に触れることができる。(H&M)