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教育研究所

書評:気になる1冊1142

教育情報誌「OFオフvol.40」 新学社&公益財団法人日本教材文化研究財団 (非売品)(OF編集部075-581-6622へ連絡)


 分かるようで分からない「働き方改革」で,職員室では,「やっぱり,この忙しさはなくならないのでは?」と,あきらめに近い嘆きが飛び交っている。子どもに向き合う時間を第一にと,願っているのに......。

 そんな時,今号の特集「意識,環境,全てが変わるとき:学校における働き方改革」が目を引いた。「特集」の冒頭で,学校における働き方改革の流れと学校の実情,業務などの区分け,労働時間の縮小に向けた対策について概説してあり,基本を押さえることができる。

 続いて,「自治体の取り組みから横浜市の場合(1:学校の業務改善支援,2:学校業務の適正化・精査・精選,3:チーム体制の構築と人員配置の工夫・充実,4:教職員の人材育成・意識改革)」横浜市教育委員会担当課長島谷千春と,達成目標を明示しながらの施策の進行は,学校への力強い支援である。

 また,「取り入れてみたい働き方の工夫」について,5つの企業から学ぶことのできる例の紹介,教職員自身が「自分ですぐにできる工夫」として,職場で,通勤時に,自宅で,どう過ごしたらよいかを例示して,多くのヒントを与えてくれる。

 ほかに「すぐ役立つ!授業アイディア」では,国語(1年:オリジナルのりものずかんをつくろう!),算数(2年:逆思考の場面の文章題),理科(3年:物と重さ),社会(5年:自動車をつくる工業)と内容が充実していて,自分流(自己流,独善ではない)の授業づくりに役立つ。

 さらに,城ケ崎滋雄・イラスト吉田朋子「教師の腕前診断:トラブルは解決よりも解消(全編)」,中村佳明「わたしの教材活用術・効果倍増!(子どもたちの学力向上と教職員の業務改善~テスト・ドリルと付属のシステムを活用して~)」と,教材活用術とともに働き方(?)のコツも知ることができる。(H&M)