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教育研究所
書評:気になる1冊1143
文部科学省「指導助言メモ:継続数・新規数を用いて各校に不登校の取組の点検・見直しを促す指導主事向け資料」平成31年3月(国研生徒指導・進路指導研究センター 非売品 ☏03-6733-6880)
不登校の児童生徒は,年々増加傾向にある。その要因を探ってみると,いじめ,友人関係・学級に居場所がない,学業不振,児童虐待,養育放棄(ネグレクト),貧困,問題行動,病気などなど多岐にわたり複雑である。
学校もそれなりに努力しているが,決め手がなく暗中模索している。困り果て「何とかしたい!」と焦りにも似た状況にある。学校から直接「助言」を求められる指導主事も,様々な情報入手に努めているところである。
本資料は,表題にあるように「指導主事向け」のデータとその活用のヒントを,簡潔・明瞭に示したもので,ありがたい。学校・先生方も直接読んで参考になると思われるので紹介する。(指導主事の先生から本資料に関する指導・助言があった場合は,「知っている!」なんて言わず,初めてのような表情で素直に聞き入れるようにしたい。)
1「不登校の数を継続数・新規数に分けて把握」,2「継続数・新規数の傾向と,取組の違い(不登校児童生徒への支援,新たな不登校が起きない学校づくり)」,3「継続数・新規数を基に,指導助言の内容(指導助言メモの作成例)」,4「年度当初に準備できる内容のまとめ(不登校児童生徒への支援,新たな不登校を生じさせない魅力ある学校づくり)」,5「年度途中の状況の把握と指導助言(事前データ→7月の調査→12月の調査→3月の調査の活用:中1&中2&中3の指導助言メモ...演習・年度途中の指導助言の視点・様式)」と,実に丁寧な資料である。指導主事の経験(昭和56年~平成5年)があるが,当時このようなものがあったら...と羨ましい。(H&M)