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教育研究所
書評:気になる1冊1144
髙橋正尚・小藤俊樹共著「成功事例に学ぶ・カリキュラム・マネジメントの進め方」(教育開発研究所 本体:2300円)
新学習指導要領では,従来の教育課程の編成・実施・評価・改善(教育課程のPDCA)を進化させた「カリキュラム・マネジメント」の充実(解説総則編pp39~45,中学校はpp40~41)を求めている。ところが,具体的に「何を」「どのように」「どうすればよいか」ということになると,あれこれあって先送りになってしまい,あまり進んでいない学校が少なくないようだ。
そのような中で,横浜市立南高等学校附属中学校は,チーム学校として,カリキュラム・マネジメント,質の高い学力を保証できる授業づくりに3年間取り組み,大きな成果を上げている。学校は,どうしても,先導的な取り組みを素直に受け止めず,「ゼロ」からの出発をしがちである。これを改め,本校の取組をじっくり分析し,使えそうなところは遠慮なく取り入れて,自校流(自校の学校の教育目標,児童や学校の実態,地域の実情などに基づいた教育課程の編成・実施・評価・改善による児童生徒の確実な成長の保障)のカリキュラム・マネジメントを勧めたいものである。
次のような具体的な内容構成になっている。校長,副校長・教頭,教務主任などアドミドルリーダーに役立つので,クリティカル・リーディング(精読)&クリティカル・シンキング(熟考)して活用してほしい。
序章はカリキュラム・マネジメントの理解,第2章はカリキュラム・マネジメントの具体的な成果(学力,生徒の満足度など),第3章は校長の学校づくりの構想,第4章は校長が進めた教育課程のPDCA,第5章は総合的な学習の時間のEGGカリキュラムの実際,第6章は国語,社会,数学,理科,英語と道徳科の授業づくり,第7章は学力向上への取組の実際,第8章カリキュラムを支える組織づくりと人材育成の実際,などについて学び取ることができる。(H&M)