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教育研究所

書評:気になる1冊1148

荒木香織著「ラグビー日本代表を変えた心の鍛え方」(講談社+α新書 本体:840円)


 令和元年の9月に,日本で第9回ラクビーW杯が開催される。第8回W杯で超強豪南アフリカを破ったことは,奇跡とも快挙とも言われ,いまだに話題になっている。本書は,その時に,日本チームのメンタルコーチとして携わった荒木香織さんである。

 それだけに,子供のメンタルに様々に悩んでいる私たち教師にとって学ぶことが沢山ある。ただし,「あらかじめ断っておきますが,メンタルはすぐに鍛えられるものではありません。スキルなのですから,習得にはそれなりの時間がかかります(はじめより)」を心しておきたい。

 「はじめに―メンタルコーチという仕事」,第1章「最高のパフォーマンスを発揮するためのメンタルスキル(五郎丸ルーティンの目的,自分だけのルーティンをつくる,緊張するからうまくいくなど16のスキル)」,第2章「自分に自信を付けるためのメンタルスキル(日本代表には勝つ文化がなかった,苦しい時こそ自分で決める,ほめられた記憶が自信を生むなど15のスキル)」,第3章「目標を達成するためのメンタルスキル(がんばりマスが一番ダメ,目標を三種類に分ける,完全主義を捨てるなど8つのスキル)」,第4章「困ったときのメンタルスキル(オリンピックの魔物の正体,プレッシャーを受け入れる,リアクト・リラックス・リセット,ピンチの時こそ笑えはウソなど12のスキル)」,第5章「受け止め方を変えるメンタルスキル(プレッシャーは自分が作るもの,失敗をいい経験と捉える,くよくよするならとことんまでなど7つのスキル)」,「おわりに―楽日―日本代表がもたらしたもの」と,子どものために,教師自身のメンタルスキルの手掛かりがたくさん詰まっている。(H&M)