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教育研究所
書評:気になる1冊1155
伊藤丈恭著「緊張をとる」(芸術新聞社 本体:1800円)
人前で何かするのは苦手な人,というより緊張してしまって,「したいこと」「言いたいこと」が全くうまくできない人がいる。自分もその一人である。いままで,ハウツー物を何冊も読み,講師の話も聞いたが,(自分にとっては)目に見える効果はなかった。でも,いまだに「緊張」から解放されたくて,本書を購入してしまった。
本書は,自分のように「緊張しなければ結構いい子ともいえるし,パフォーマンスもできる」と思っている「ダメ男」に,元大物女優を自認する「ママ」が,面白おかしく「緊張のほぐし方」を指南している。
児童生徒と向き合う教師が,緊張してしまってはどうしようもないが,児童生徒に「緊張をとる」術(スベ)をさりげなく指導するためにも,「一応読んでみるか!」というくらいの気持ちで,一読を勧めたい。
内容構成は,第1話「楽しみやすくする(楽しめたら緊張しない,開拓する勇気と工夫が成長につながるなど9つの術)」,第2話「不安をとる(緊張の種類と原因,練習でいっぱい失敗するなど8つの術)」,第3話「集中する(自由になるために型にはめる,成功者の話は劇薬など6つの術)」,第4話「躊躇をとる(大げさすぎる練習で躊躇をとる,やり過ぎて調整を繰り返すなど5つの術)」,第5話「発声する(腹式呼吸と発声の練習など5つの術)」,第6話「乗りやすくする(独り言で考えをまとめるなど5つの術)」,第7話「ポジティブを考え直す(ポジティブは失敗しやすいなど4つの術)」,第8話「こだわりを捨てる(合格ラインを下げる,知らぬうちに完璧主義になって伸びないなど10の術)」,第9話「役づくりを学ぶ(棒読みから始める,三段階思考で考えるなど6つの術)」,第10話「深いリラックスを目指す(リラクゼーション,燃え上がる感情など9つの術)」,第11話「テンションを上げる(緊張を受け入れる,燃えたぎる情熱など6つの術)」,終話「その後(別れのはずだったのになど4つの術)」と,様々である。これらの中から,本物を探り出し,自分流の「緊張をとる」術として整理し,有効に活用したい。(H&M)