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教育研究所

書評:気になる1冊1166

「指導と評価2019年5月号」 (図書文化 定価:405円)


 指導要録及び学習評価の文科省「通知」(平成31年3月)が出てから各学校は,学習評価について関心を高めているものの,具体的にどのような評価規準を設定してどのように評価したらよいものか戸惑っている状況がある。具体的には,従来のように,国立教育政策研究所から関連する具体的な資料が出るであろうから,それまでに新しい指導要録について基本的なことを十分に理解しておくことにしたい。

 今号は,そのことに焦点を当て「特集・指導要録の改訂(1)」を組んでいる。解説者は,第一線で活躍中の人で,簡潔,明確で分かりやすい。学校でいくつかのチームを編成し,分担して学び,レポートをしながら共有化し,令和2年度からの完全実施に備えてほしいものである。

 内容構成は,巻頭言「新しい指導要録に思う」石田恒好,「指導要録の審議と改訂の概略」鈴木秀幸,「観点別学習状況~新3観点と情意領域の評価をどう考えるか」石井英真,「観点別学習状況~思考・判断・表現」鈴木秀幸,「観点別学習状況~知識・技能の評価の考え方と方法」奈須正裕,「観点別学習状況を高等学校で新設」善本久子,「観点別学習状況~国語」藤森裕治,「観点別学習状況~小学校英語」酒井英樹,「特別の教科道徳の評価」押谷由夫,「特別支援教育の観点から指導要録記入の配慮事項」川間健之介,となっていて,痒い所に手が届く感がある。

 連載も,篠田俊文「特別寄稿・パフォーマンス評価の実践研究(1)」,川村茂雄「QUを活用したPDCAサイクルで教育実践の向上をめざして(2)」,大関健道「教師力アップセミナー・子供とともに成長する教師をめざして」,森正樹「通常学級の実践から学ぶ特別支援のヒント52」,下村英雄「講座キャリア教育・キャリア発達を支援する~マッチング理論」など,いつもながら充実している。(H&M)