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教育研究所

書評:気になる1冊1169<月刊プリンシパル6月号>

「PRINCIPAL月刊プリンシパル2019年6月号」(学事出版 本体:740円)


 一足先に完全実施された「道徳科」では,評価をどのように進めたらよいものか,「わからないので,教えてほしい」とは言いにくく,各学校・教師は内心戸惑っている。

 そのような状況に適時に応じ,特集に,「道徳の評価はこうする―よさを伸ばし成長を促す評価の工夫―」を取り上げている。「小学校(中学校)学習指導要領解説特別の教科道徳編」(第5章「道徳科の評価(第1節道徳科における評価の意義,第2節道徳科における児童(生徒)の学習状況及び成長の様子についての評価,第3節道徳科の授業に対する評価)」平成29年7月)と合わせ読むと,よく理解できる様になっている。

 論文「道徳科における評価の実質化をめざして」元文部科学省教科調査官・京都産業大学教授芝原弘志,「発達障害のある児童生徒への指導・評価上の配慮」東北福祉大学教授樋口一宗。評価に関連する例話「授業ノート等を活用した道徳科の評価の在り方について」山口県周南市教育委員会指導主事廣末唯,「評価をフィードフォワードへ(その先へ導くために)」新潟市立巻南小学校長田中修二,「子どものよさを見とる~道徳科評価の本質~」新潟大学教職大学院准教授尾身浩光。

 今月の例話は,小学校向け「6年生修学旅行出発式」長谷川秋美,「全校朝会,給食時の放送」福田豊,中学校向け「宿泊研修終了後の全校朝会」伊藤勝彦,保護者向け「保護者会」村田文雄,教師向け「保護者会・懇談会前」福田豊と,参考になる。

 恒例の「校長学コーナー」の「チャンス,チェンジ,チャレンジ」横浜市立日枝小学校長住田昌治,「校長の思いを込めたスローガンは学校を動かす」真岡市教育委員会教育長,「いじめ自殺と相当因果関係~異例の判断を示した大津地裁判決~」東京理科大学非常勤講師加茂川幸夫など,「学校講話関係コーナー」の「心がほっとするちょっといい話」秋元定憲,「この人に学ぶドナルド・キーン」鈴木茂なども一読する価値がある。(H&M)